奈良にて

管理びと

2014年04月07日 16:06

東大寺福祉療育病院の光明園、整肢園は
たくさんの子どもたちが、
それぞれの状態に合わせて生活しながら
勉強もしているところ。

訪れるのは、もう4回目になるでしょうか。
前回伺ったのは、3年前の大震災の前日でした。



「こんにちは!」
車イスに座った子どもたちの中には
見覚えのある子が、何人もいて
なんだか、感無量な気持ちになりました。
ここの子どもたちは、必ずしも、
平均的な成長の仕方をするとは限らないのだけど、
でもやっぱり、変わっている。
大きくなったね、みんな。

集まれる子たちとは、
みんなで一緒に歌ったり、手や足を動かしたり。
維持装置をつけていて、移動できない子のために
それぞれのベッドのわきに座って、
話しかけ、手を握って、歌いました。

施設を訪れるときには
楽しみな気持ちや、
いい時間を一緒に過ごしたいという望みと一緒に
いつも、気遣いがあります。

この子たちには、この子たちの人生と生活があって
私は、彼らが招いたわけではなく、
自分の望みで、ここに来ている。

今日このとき、それぞれの子は
私がそばにいることが、うれしいだろうか?
まあ、どっちでもいいだろうか?
それとも、イヤだろうか?

うたが聴きたいだろうか?
何が聴きたいだろう?
(たとえ動けなくても、本当は)
一緒に歌いたいだろうか?

ゆっくり近づいて、手を取って
耳もとで、話しかけてみました。

「こんにちは。◯◯ちゃん。
私は、しげこといいます。
会えて、うれしいです。
うたを歌いたいんだけど、
歌っても、いいかな?」

握っている手から、なんとなく
「いいよ。」という感じが伝わって来たら
ゆっくり、歌い始めてみました。

注意深く様子を見ながら歌ってくうちに
身体の様子が変わったり
呼吸の調子が少し、変化したり。

歌い終わったあとの、静寂のなかに
なぜか、その子の存在が
大きく響き渡り、
まるで、聴こえない拍手をもらっているような
気持ちになりました。

「この子たちは、音楽が大好きなんです。」
いつも一緒に時間を過ごしている
スタッフの方がおっしゃっていました。
「目が見えない子もいるけれど、
話しかけたこと、歌いかけたうたは
意味さえわからなくても、届いていると
思うんです。
今日は、いい気分だねえ。
◯◯ちゃん。」

時間が許せば、一日中、一緒に歌っていたかった。
きっと、また来ます。
今度は、アンパンマンとセーラームーンの歌を
覚えてくるね。

ご縁をくださったみなさん、スタッフのみなさん
本当に、ありがとうございました。

写真は、今日訪れた、飛鳥の大地と空。
-------
鈴木重子facebookより
https://www.facebook.com/ShigekoSuzukiOfficial
※院内の画像は、東大寺福祉療育病院よりお送り頂きました。

関連記事